小嶋陽菜プロデュース卒業メドレーがAKBの最終回みたいだった
3月31日に放送された『ミュージックステーション』SPを見ました。
小嶋陽菜最後のMステ出演ということでワクワクしながら見ていたけれど、期待値を軽々と超える出来。
まずですね、なんというか、この日の小嶋さんはいつにもましてかわいかった。
はっきりいって、最近なんだか疲れが目立つというか、「あれ、こんなだっけ?」みたいなときも少なくなかったんだけど、完璧にコンディションを整えているのがわかる。
「スカート、ひらり」の小嶋陽菜はタレント小嶋陽菜ではなく、AKB48チームAの小嶋陽菜だった。さらにいえば、この日の小嶋陽菜は小嶋さんではなくにゃんにゃんでありこじはるだった。
続く「ハート型ウイルス」は残念ながらセリフパートはなかったものの、こじはるのオシャレでセクシーな要素をいかんなく発揮。
この2曲は地上波ではほとんど披露したことがないので一般視聴者は置いてきぼりだっただろう。そんなことは百も承知で、AKB48Mステ初出演で披露した「スカート、ひらり」と自身の公演代表曲である「ハート型ウイルス」を選んだところに、こじはるの強い愛を感じた。
めちゃくちゃ贅沢をいえば「ぜったいにありえない!」のセリフや、「はるな、はるな、はるな、はるな!」のコールもあったらなぁと思わなくもない。
ただし、そんなちっぽけな不満を吹き飛ばすくらい、最後の「シュートサイン」は圧巻だった。
仲間たちの待つ場所にひとり歩みより、踊り、サビのはじまりとともに背後の幕がゆっくりと上がると、そこには大勢のメンバーが!
これこれこれ!
これこそがAKBだ。
村上春樹がどこかのエッセイでドフトエフスキ―の小説の、特にその長さについて語っていて、「ある段階で量が質に転嫁する」と書いていたけど、そのままAKBにも同じことがいえる。AKB48の魅力とは、とりもなおさず数の多さ。個々のメンバーとしては弱いけれど、それが10人集まり50人集まり100人集まりと数を増やしていった段階で、その人数の多さがそのまま魅力に変わるわけ。
数十人がいっせいに踊るってはっきりいってバカっぽいんだけど、でもどこかの閾値を越えると、一周してある種の爽快さすら感じるようになる。特に「シュートサイン」の振りは移動が少なく手足の動きが多いものだから、人数が多ければ多いだけ迫力が出るんですよね。
そして最後に最高のサプライズ。
こじはる手書きのクレジット・ロールね。
なんだか泣きそうになりました。
曲調といい演出といい、まるでAKB48という映画の最終回を見ているようだった
五分以上もAKBに時間を割いてくれて、普段テレビには出られないメンバーも呼んでくれて、Mステには感謝しかないです。
そしてなにより、小嶋陽菜さんのAKB愛に感謝。
いい最終回だった。
AKB48 47thシングル「シュートサイン」全曲レビュー
AKB48の47枚目のシングル『シュートサイン』を買いました。
いや、買ったのはだいぶ前なんですが、全曲聞いてMVを見たのはつい最近なので、いまさらながら感想を書きます。
全タイプ共通 シュートサイン
シングルの表題曲。
小嶋陽菜の卒業シングルであり、かつドラマ『豆腐プロレス』のテーマソングという難しい物件だけあって、MVには苦心の跡がうかがえる。
まず、この曲が初めて解禁されたのは『ミュージックステーション』だったのだが、そのときの印象は最悪だった。映画『サタデーナイトフィーバー』のジョン・トラボルタを彷彿とさせる天に拳を突き上げる振付といい、ポジションチェンジがほぼないところといい、過去最低クラスの出来だと思いました。
このへん、振付師のTAKAHIROさんについても言いたいことがあるんだけど、それは後に回す。
で、いざ曲だけ聴いてみるとこれがなかなかいい。
アントニオ猪木のテーマソングである『炎のファイター』を連想させるムーディーなメロディーは聴けば聴くほど味わい深いし、心なしかサビではテンポアップしているようにも思えて、それが「夢がいつかは終わるなら/砕け散ったって構わない」に代表される焦燥感に満ちた歌の世界観を音として巧みに表現している。
なにより、サビのコーラス部分の「真実は(ひとつ) 愛か?(それとも幻か?)/シュートサイン」の高音から低音に真っ逆さまに落ちるような響きはクセになる。
歌詞については、下手に恋愛を絡めず叶うかどうかわからない夢を追いかけるというテーマに絞ったほうが良かった気もするけど、センターが小嶋さんでそれだとキャラに合わないので、まあしょうがないかな。
ただし、MVは大いに不満。
メンバーよりも、神取忍さんや南海キャンディーズのしずちゃんといったゲストのほうがアップで映る時間が長いんじゃないかと思える。歌唱シーンはリングの上で撮影しているのだが、選抜メンバーが多すぎるあまりリングに乗りきらず後方のエプロンサイドで踊っているメンバーもいて、これじゃあせっかく表題曲の選抜に入った甲斐がない。
おまけに前述のようにフォーメーションを入れ替える場面がほぼないので、ここのメンバーの見せ場がなく、一列目のメンバーのファン以外はあまり楽しめない構成になっている。
曲がよく歌詞も許容範囲なだけに、MVが残念でした。
小嶋さんのスタントをした紫雷さんはじめとするゲスト陣はさすがの活躍です。宮脇咲良もなかなか堂々としたもんだった。
TypeA、B、C、劇場版共通 気づかれないように
小嶋陽菜のソロ曲。
申し訳ないけど、これといった感想がないです。
MVに高橋みなみと峯岸みなみが出演していて、真っ赤なルージュの色っぽい小嶋さんが楽しめるのが見所かなぁ……。
TypeA Vacancy
SKE48の曲。
これは最高! このシングルの中で一番好きな曲。
金管楽器の鳴りひびく明るくキラキラしたメロディと、ストレートに女の子の恋愛を扱った歌詞。これぞアイドルソングの王道でしょう。こういうメロディラインを聴けただけで満足なんだけど、さらにうれしいことにMVも凝っている。
真っ白な衣装を着たメンバーが好き放題に壁にペンキを塗っていくんだけれど、しだいにメンバー同士でお互いの衣装にも塗りはじめる。
この時点で、メンバーのイチャイチャという要素が加わり、ぼくの中では十分合格なんですが、さらに、実は衣装と壁にはあらかじめテープが貼られていて、それをはがすとタイル模様とVacancyの文字が浮き上がるという演出まである。
こんなに素敵な演出は見たことない!
あえて気になるとすれば、歌詞のストーリーが「彼氏と別れた女の子が、前から自分に気のあるそぶりを見せていた男に『いまだったら私フリーだよ』と誘う」っていう、なんだかな~というものだってことくらいだけど、それもこの曲調とアイドル感いっぱいのメンバーが歌うとコケティッシュでいいかなと許せてしまう。
サビの「どうぞどうぞどうぞ」が弾けるようでとってもカワイイです。
歌唱パートのダンスもきっちりそろっていて、さすがSKE。
「チキンLINE」、「金の愛、銀の愛」と暗い曲ばかりだったけど、アルバムからこっち明るく爽やかな曲があてがわれていてなによりです。
TypeB 真夜中の強がり
NMB48の曲。
のっけから反町隆史の名曲「Poison」を彷彿とさせるギターサウンドが鳴る。なんというか、「ナニワの女は顔で笑って心で泣いてるんやで!」っていう感じの歌。
すっごく懐かしい曲調だし、めちゃくちゃいい曲な気もするけれど、いまのところあまり引っかからない。
相変わらず、さや姉はかっこいいです。
TypeC 止まらない観覧車
HKT48の曲。
冒頭の床に寝てのフォーメーションダンスが象徴するように、非常に機械的で無機質な振付が特徴的なMV。
残念ながら、この曲もあまりこれといった感想はない。
トランペットかサックスかわからないけど、せっかく大人っぽい曲調なんだから、森保まどかや松岡菜摘のようなお姉さんメンバーをフロントに持ってきてグッとムードのあるMVにすればいいのにと思った。
TypeD、E共通 アクシデント中
いわゆる本店とteam8から19歳以下のメンバーを集めた曲。
岡田奈々、小嶋真子、向井地美音、福岡聖菜、村山彩希、川本紗矢というぼくの大好きなメンバーがいるのに加え、本店生え抜き期待の星である久保怜音が参加しているということで甘い評価をつけたいところだが……微妙すぎる曲だ。
明治・大正・昭和・平成の女学生や女子高生の衣装が楽しめるとあって、MVはそれなりのもの。特に最後のちょっと遊んでそうな女子高生衣装はたまらん。
ただ曲がね……これって、女子高生っていうよりOLの歌じゃないですか?
深読みすれば、「私はアイドルだから男なんかいらない、恋愛しないといっていた女の子が恋に落ちてしまいました」とも解釈できて、つまりアイドルのスキャンダルってアクシデント=出会いがしらの事故だから防げないってメッセージかなとも思うのだが、ただやっぱりこれは30歳くらいの女性が主人公の歌でしょう。
それをU19のメンバーに歌わせるっていうのはちょっとヒネりすぎですね。
素直に「Vacancy」みたいな曲を聴きたかった。
千葉恵里の前髪ぱっつんのかわいさでなんとか救われている。
TypeD みどりと森の運動公園
NGT48の曲。
タイトルがめちゃくちゃ覚えにくいっす。
メンバーがいくつかの団体に分かれて集結するというMVの冒頭の構成は完全に「MAXとき315号」を意識したもの。
曲は懐かしくて爽やかなフォークソングみたいで、新潟の澄み切った空と大地の気配を感じる――と書くと定型文みたいだけど、これはあながち冗談じゃなくて、MVでもはっきりわかるくらいに新潟の大気は澄んでいるのです。
これがとっても美しくて、NGT48というグループの特殊性というか土着性というか、都会にそまりきらないアイドルっていう雰囲気と見事にマッチしてます。
マフラーに手袋という究極萌え装備でのダンスパートがあり、かつ「Vacancy」と同じくイチャイチャパートもある。
↑これ、ゲレンデでたき火して風船みたいなのを飛ばすという訳がわからないシーンだし尋常じゃないくらい横なぶりの雪が降ってるんだけど、メンバーがすごく楽しそうで生き生きとしているので、見ているこちらも自然と楽しくなってくる。
「MAXとき315号」にはいなかった柏木由紀も参加していて、北原里英とともに若いメンバーに交じってはしゃいでおり、やっとひとつのグループになった感じ。
TypeE 誰のことを一番愛してる?
AKB48グループ、乃木坂46、欅坂46のメンバーを集めた坂道AKB名義の曲。
格付終了感ハンパねえなぁという感じ。これに参加したメンバーは、少なくともアイドルとしては一生平手友梨奈の風下に置かれることになる。その意味で、平手以外誰も得しないんじゃないかな。
曲は普通にいい曲。
ぱちんこAKBのチームサプライズ名義の「バラの儀式」みたいな不穏さを醸しだしている。
ただねえ、自分が作ったグループの人気メンバー集めて「あなたは私のすべて/独り占めするためには誰を殺せばいいの」って、それを秋元康が自分で作詞して歌わせるか?ってのは思いますね。
これぞ究極のマスターベーションだろっていう。
あと、紅白のときも思ったんだけど、TAKAHIROさんの振付はMVだとカッコイイんだけどステージだと「あれ?」って思う可能性があるので、そこはちょっと判断保留。
この曲の振付にしても、①腕をやたらめったら動かしたり、②憑依したように暴れたり、③小刻みにステップを刻んだりといったTAKAHIRO振付に共通して見える部分があって、それはMVでカットを割ったり斜めから撮影したりしたときはかっこいいんだけど、ステージ上で見るとものすっごいチマチマした動きに見える。
なんというか、TAKAHIROさんの振付は非常に規律的・規則的・軍隊的で、ある種の行進やマスゲームのような整然とした美しさはあるんだけど、そのかわりに伸びやかさとか華やかさといったものがないんじゃないかな~とか思ったり思わなかったりラジバンダリ。
で、それってグループアイドルの振付としてどうなんだろうかというのをずーっと考えてるんだけど、いまだに答えは出ない。結論が出たらまた別に書くかもしれません。
MVは文句なくかっこいいです。
まとめ
小嶋陽菜の卒業シングルなんだけど、残念ながら個人的に最も気に入ったのはSKEとNGTの曲でした。まあ、小嶋さんは「ハートエレキ」とかいい曲がいっぱいあるから、それで我慢してください。
いままでお疲れさまでした。
外山大輔プロデュース「ミネルヴァよ、風を起こせ」公演の感想
2月28日に初日を向かえた、外山大輔プロデュース『ミネルヴァよ、風を起こせ』公演をDMMで見ました。
16期研究生公演をのぞけば、これはAKB48にとっては久しぶりの新公演。当日は正座待機をしてその時を待ちました。同じような人が多かったのか、どうにもDMMの接続が悪くてところどころ止まってしまったのが残念。
まあ、その後オンデマンドでも見直すつもりだったので問題ないんですが。
さて、この公演は、いままでのファンによる著名人公演とは違い現役の音楽家であり48グループに楽曲を提供している作曲家によるプロデュースされたものである。つまり、プロが選んだメンバーがプロの選んだ曲を披露するということで、否が応でも見る側の期待値は上がっていたわけだが、うれしいことに、いや、うれしみずなことに、そのハードルをやすやすと越える出来だった。
端的にいって、『ミネルヴァ』公演めちゃくちゃ楽しい。
以下、楽曲ごとに具体的な感想を書きます。
重力シンパシー
茂木忍と舞木香純のアナウンスがあってしばらくした後に、いよいよ出囃子のOvertureが流れる――のだが、これがいつもと違う。強風とともに、ギターアレンジの加わったOvertureなのだ。
そして、背中を向けて舞台に立ったメンバーたちがスポットライトの明かりとともに振りかえり、「重力シンパシー」のイントロが流れる。
センターに立つのはチーム8の岡部麟。
このインパクトはすごかった。茂木と舞木という名前の似ている二人による影アナから推測すると、前田敦子に声が似てるからセンターは岡部麟って決めたのかなとも思えるが、なんにせよ、思わず振りかえった瞬間「おおっ」と声が出るほど驚いた。
「重力シンパシー」の楽曲の良さは言わずもがなで、こんな名曲が『SKEフェスティバル』公演までほとんどほったらかしになっていたのがつくづく不思議。チームサプライズはこれ以外にも名曲がいっぱいあるので、みんなどんどん使ってほしい。
ゼロサム太陽
この曲、初めて聴いたかもしれない。
いいですね。
どこかで陽が上るときは同時にどこかで陽が沈んでいるというのを、誰かが恋をした瞬間誰かが失恋しているということにたとえていて、とても切ない。この後にある「不器用太陽」と同じく、好きな女の子のために自分の気持ちを諦める歌です。
センターの清水麻璃亜も『あんた、ロケロケ』のようなバラエティでは見せないシリアスな表情をしていて、それがとても魅力的だった。
特に、この最後のキメ顔ね。
熱烈な清水麻璃亜ヲタがいたらしく、「まりあ~!」と大歓声が上がっていて、こういうのもとても好ましく思えた。
私たちのReason
イントロが流れた瞬間、声あげて喜びました。
この曲、『永遠プレッシャー』の劇場版カップリングというまったく目立たない場所に置かれたせいでリクエストアワーでもさっぱりだけど、超名曲でしょう。
アイドル好きでこれ好きじゃなのはありない、ってくらいのド直球のアイドルソングにしてラブソング。
特に大サビ。
なぜ好きになったの?
なぜ私だったの?
聞いてみたいけど胸が苦しいよ
この一番美味しいところを大西桃香が独り占め。
これは大西桃香好きになるだろ~
武藤十夢が大森美優にちょっかい出してイチャついたりしていて、非常にいいものを見た。まさに目の保養。
大好きな曲を聴けて、イチャイチャしてるのも見れて、モモンガの釣りアピールも見れて、これだけで『ミネルヴァ』公演見て良かった。
ラベンダーフィールド
チームAの『M.T.に捧ぐ』で何度も見ているけど、今日は初日ということもあってか、それともメンバーが違うからなのか、新鮮に感じた。みんな元気よく手足を動かしていて、汗をかいていて、よかったですね。
この福岡聖菜の横顔、美しかった。
コップの中の木漏れ日
SKE48のユニット、ラブクレッシェンドの楽曲。
さっきまで凛々しい表情を見せていたせいちゃんが、出だしでトラブルに見舞われる(おそらく、靴が履けなかったと思われる)。このへんのヘッポコ具合はステージ上で迷子になっていた研究生のころから変わってなくて、もはや微笑ましいレベルだ。
バレエのように手足を大きく使う振付もあり、シアターの女神村山彩希のコケティッシュな優雅さがいかんなく発揮されるぴったりの楽曲。
オフショアガール
とうとうこの時が来た!
AKB48の劇場公演に乃木坂46の楽曲が選ばれ、それが白石麻衣のソロ曲で、担当するのは市川愛美というサプライズ多すぎパート。
16期生をバックダンサーに市川愛美がソロで歌って踊るのだが、なんだかいつもよりかわいくて驚いた。自己紹介では「初日に選ばれたのは初めてなのでがんばる」と涙ぐんでいたし、このソロも爽やかでアイドルらしくてよかった。
これから気にしてみようと思いました。
夢でKiss me!
『M.T.に捧ぐ』公演の宮脇咲良のオリジナル曲を中西智代梨が披露。
どう考えても悪ふざけというか、HKT48つながりで選んだろと半笑いでいたら、生歌でがんばっていたし意外と悪くなかった。声がぶれる部分を観客の歓声が後押ししていてアットホームな雰囲気だったし、後半部分では親衛隊に扮したメンバーがステージにあらわれて盛りあげる演出もあり、むしろ本家よりも楽しかった。
口移しのチョコレート
余韻に浸るちよりを押しのけて茂木忍、大西桃香、舞木香純が登場。
これはねぇ、まあ正直エッチでしたね。
セクシー担当の茂木ちゃんはもちろん、かすみんもがんばっていたんですけど、断トツ大西桃香が目立っていた。
男子中高生がモンモンとして眠れなくなるくらいのレベルです。
なんといってもマイクの持ち方。
科を作るために手首を不自然すぎる角度に曲げて指先でそっと添えて握る感じ。
元からのクセもあるんだろうけど、上の「私たちのReason」のキャプチャ画像を見ればわかるとおり、ここまで極端ではない。つまり曲調に合わせてマイクの持ち方も工夫しているということで、これは見上げたプロ意識。
お見事。
おしべとめじべと夜の蝶々
岡部麟と清水麻璃亜のユニット。
「口移しのチョコレート」と同様のセクシー系楽曲なんだけど、こっちは全然エッチではなかった。これ、理由は簡単で、ぐんまりが一生懸命セクシーを演じようとしているのが伝わって微笑ましくなっちゃうんですよ。
りんちゃんはかなり堂に入ったふるまいなんだけど、ぐんまの隠しきれない朗らかさが常にあって、「お、がんばれよ!」と思える、これはこれでいいパフォーマンスだった。
記憶のジレンマ
『夢を死なせるわけにはいかない』公演は、半分これのために見ているといっても過言ですらないくらい好きな曲。
せいちゃんと後藤萌咲の表情がとてもいい。
不器用太陽
SKE48のシングル曲。
武藤十夢の歌い出しがすばらしい。本家の松井珠理奈に声が似ているってこともあるけど、ややハスキーで低い声が曲の雰囲気に合っている。
太陽をモチーフにしている点といい、曲のストーリーといい、「ゼロサム太陽」と近いものがあるんだけど、外山さんはこういう好きな子のために身を引く男の歌が好きなんだろうか。
夏の前
HKT48の『控えめI love you!』のカップリング。まだ木本花音がいたころのteamK4名義の曲だ。
曲自体も高校生の初々しい恋愛を扱っていてかわいいし、花の冠をかぶり白いワンピースを着たメンバーがとにかく素敵で、いまでもこの爽やかなMVをたまに見直す。
やっぱりぐんまヲタが多いようで十夢へのコールがまったく聞こえないし、最後も「まりあ~!」の大歓声だった。
ぐんま、すごい!
Make noise
こちらも同じくHKT48の楽曲。
この公演のセットリストはおおむねラブソングなんだけれど、この「Make noise」は珍しく恋愛がテーマでなく、おまけにゴリゴリのダンスナンバー。
谷口めぐのがんばりを感じる。
君のために僕は・・・
うーん……悪くはないんだけど、「Make noise」と同じハード系ダンスナンバーなので、続けて聴くとちょっと飽きるかも。
十年桜
定番曲でもう飽きるほど聴いているので、正直あまり感想はない。
強いていえば、茂木ちゃんがかわいかった。
大人列車
「十年桜」が終わった瞬間、間髪いれずにイントロが流れるこの構成はよかった。この曲はなんといってもメロディーラインが強烈にすばらしい。兒玉遥に優るとも劣らない川本紗矢の歌い出しでぐっと引き込まれて、本日何度目かの清水麻璃亜ヲタの「まりあ」コールに驚愕した。
混ざり合うもの
乃木坂46とコラボした楽曲。
あんまり真剣に聞いたことなかったけど、いい曲ですね。
テーマ的には、NMB48の「君と出会って僕は変わった」と同じでこういうの大好きです。
なにより、ゆうなぁめぐのそろい踏みを見られただけで合格。
風は吹いている
感動しました。
明らかに気合いが違う。もちろんいままでの曲で手を抜いていたというわけじゃないけど、「風は吹いている」は目に見えてメンバーの意気込みが桁外れ。
目力といい、ダンスのキレといい、神がかったものを感じた。
かっこいいAKB48を見られて大満足。
まとめ
はじめに書いたとおり、ぼくはこの公演をとても楽しみました。
もちろん、これには個人的な理由もある。
清水麻璃亜、岡部麟といったチーム8から大抜擢されたふたりは前から大好きだったし、岡田奈々、村山彩希、谷口めぐのゆうなぁめぐのトリオが勢ぞろいしたし、武藤十夢と大森美優や茂木忍と(初日は出ていなかったけれど)向井地美音といった仲良しコンビがそろっていて、こうしたツボを心得た人選という理由がひとつ。
セットリストについても、ほぼすべてが直接的に恋愛を主題とした楽曲で、人によっては遊び心がないと思うかもしれないが、むしろぼくはこのストレートな選び方に好感を持った。外山さんって、めちゃくちゃピュアな人なんですね。特に「私たちのReason」や「夏の前」を入れてくるあたり好みがいっしょ。
やっぱり、アイドルは恋の歌をうたわないとダメでしょう。
もちろん不満もある。
たとえば、やけに夏の歌が多いとか(「不器用太陽」、「夏の前」、「オフショアガール」)。チーム8メンバーがスポットライトを浴びているぶんだけ、込山榛香や川本紗矢や岡田奈々の出番がちょっと少ないとか。
当たり前だけれど、まだまだダンスがそろっていない部分があるとか。
これとかね。
しかし、これは些細なことだ。
重要なのは、メンバーが堂々と自身を持って楽しそうに、なにより真剣に歌って踊ること。その意味で、やはり今回の白眉は最後の「風は吹いている」だった。
外山さんが公演発表のShowroomで語っていたように、『ミネルヴァよ、風を起こせ』という公演名は、哲学者ヘーゲルの『法の哲学』という本の序文に書かれた言葉に由来する。手元にある中公新書の『法の哲学Ⅰ』にはこうある。「ミネルヴァのふくろうは、たそがれになってはじめて飛びはじめる」。
ミネルヴァというのは、ギリシア・ローマ神話における知恵や芸術の神。たぶん、外山さんはこの「たそがれ」という言葉に惹かれたのだろう。
何のたそがれかといえば、もちろんAKB48のたそがれだ。
ざっくばらんにいえば、48グループはたそがれに差し掛かっているのかもしれない。テレビのCMを席巻し、東京ドームでライブを開催したころと比べれば、人気の陰りは一目瞭然だ。
でもだからこそチャンスでもある。
勝手に外山さんの意思を推測して代弁すればこんな感じだ。
世間のおまえら。
いまAKBは終わりだとか思ってるかもしれないけど、全然そんなことないぞ。
むしろここからが始まりだ。
おまえらが気づいてないところで、新しい時代の風は吹いてんだよ。
その息吹を感じろ。
まずは初日は大成功。
あとは、この熱い思いを途切れさすことなくステージで踊るだけだ。
祝 AKB48岡田奈々 STU48兼任!
2月22日に、岡田奈々さんがShowroomでSTU48への兼任を発表されました。
いや~、めでたい!
まさかネットメディアに岡田奈々の四文字がこれほど踊る日がこようとは、夢にも思わなかったです。劇場公演にも数多く出演して生歌をこなし、ダンスも歌も上手で、AKB48はもちろんteam8まで含めた後輩メンバーからの信頼も厚いとくれば、グループを率いるキャプテンやお手本にすべき先輩としてはこれ以上ないほどの逸材だけど、それだけにあとは知名度さえあればという状態だっただけに、この抜擢は朗報以外のなにものでもない。
2月8日にAKB48ドラフト二期研究生の高橋希良が卒業発表をしてからというもの、雪崩を打ったように卒業発表者が相次いでいたけど、久しぶりの明るい話題だ。
実際、高橋希良の卒業はなかなかの衝撃だった。彼女はともすれば古臭いくらいのザ・アイドルで、いずれはAKBのシングルにも選ばれるだろうと思えるメンバーだったにもかかわらず、まさかの卒業。おまけに、卒業発表のコメントが「やりたいことがわからなくなった」だからなおさら悲しい。高校生の女の子が、バイトAKBを経てドラフト会議に挑戦しやっとAKBの一員になることができたのに、そこで2年間がんばった末の結論が「やりたいことがわからなくなった」ですよ。
こんなの、誰がどう考えても運営やグループを仕切る大人に問題があるでしょう。
そんなこんなで、公演を見る気力も失せ、代わりに総選挙祝賀会コンサートのBDを見たり、新アルバム『サムネイル』を聴いたりして希良ロスや運営への不満を癒していたところ、岡田奈々がオールナイトニッポンに出演して重大発表をすると知り、
終わった、これは完全に卒業発表だ
と悟りの境地に達していたところにこの報せだから九死に一生を得た気分だ。
岡田奈々は上に書いたコンサートではソロで「考える人」を披露したり(これがめちゃくちゃかっこいい!)、『サムネイル』ではオリジナルソロ曲の「コイントス」(これもめちゃくちゃいい!)をもらったりと、AKB48というグループの中ではこれ以上ないほどの好待遇を受けている。
もちろんそれは本人の努力の賜物なんだけれど、総選挙でもランクインし、念願のソロ曲をもらったということで、やり残したことはないと本人が思ってもおかしくない状況だった。
だからこそ、岡田奈々重大発表にとうとうその時が来たかと覚悟を決めたわけですが、まさか栄転だったとはお釈迦様でも知らぬ仏のお富さんですよ。
こんな風に書いているとまるでぼくが熱烈な岡田奈々ファンでありオタクのようだが、ぼくは彼女の切羽詰まったような生き方に強く惹かれているだけであって、総選挙で投票したりしているわけではない。
同じように、高橋希良ちゃんにしても彼女自身が大好きというよりは、ザ・アイドルに徹している姿が素敵だなと思っていただけで、投票もしてなければグッズを買ったりもしてない。せいぜいShowroomでたまに星を投げる程度でした。
なので、やっぱりちょっとでも好きだったり応援する気持ちがあったら、一票でも投票するとか、グッズを買うとかといった目に見える形で行動に移すのが大切だと強く思いました。
希良ちゃん卒業は引き続き残念だけれど、これでなんとか乗り越えられそうだ。
乃木坂46「ヘビーローテーション」CMは苦肉の策かプロモーションか?
何げなくネットを見ていたらビックリ!
乃木坂46でちょっとした炎上が起きている。
どうやら、紳士服量販店のはるやまのCMに関することらしい。
- 乃木坂46×はるやま=ヘビーローテーション。
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「AKB48チーム8のブンブン! エイト大放送!」が期待以上におもしろかった
『AKB48チーム8のブンブン! エイト大放送!』の第一回目を見ました。
観覧席にファンを入れてのトークあり、歌あり、コントありの番組ということで、どんな感じになるか不安だったんですが、思った以上におもしろかった。
まず、一発目のコントがよかった。
アイドルがコントをやってスベろうものなら目も当てられないほどの悲劇になるわけだが、「アゲアゲ店員なちょぱ」という定番のファミレス・コントをギャルに扮した吉川七瀬がめちゃくちゃ上手に演じていた。
コントじたいの脚本も前フリとオチがしっかり利いたちゃんとしたもので、これをネタ番組でやっても遜色ないほどのクオリティ。若林さんのツッコミも相まって普通に笑ってしまった。吉川七瀬は肝心のフリとなるセリフを飛ばしてしまったけれど、そこで黙り込むんじゃなくてなんとか演技を続けていて偉かった。
続いてのトークコーナーは、オードリーがさすがの実力を発揮。
なまりキャラをアピールする横山結衣に、メンバー全員がエセ方言だとツッコんだ際には、「いきなりつぶし合いが・・・」とキラーフレーズをかます。
その後、本田仁美が毒舌キャラをアピールしたときに、とんちんかんなエピソードを話す小栗有以には、「小栗はすっこんどいて」と強烈なツッコミ。
ゆいゆいを溺愛するウーマランラッシュアワー村本さんとは180℃違う扱い方だけど、『あんた、誰?』や『あんた、ロケロケ!』などのトップリード新妻さんのツッコミを見ていると、むしろ、ゆいゆいはこうやってやや乱暴にツッコんだほうが天然な部分が強調されておもしろくなりそう。
しかし、今回いちばん活躍したのは、倉野尾成美&横山結衣推しのアンドウさんである。佐藤七海の握手会テクニックを実践するために、観覧席から選ばれてステージに上がったアンドウさん。不安そうに見守る二人に、「釣られない」と操を立てるも、佐藤七海が超絶テクニックを披露。
最後の理性で「剥がして~」と弱弱しく訴えるアンドウさんに爆笑した。
素人とは思えない活躍、お見事。
あの距離感で、「二人よりもあなたのことを大切にするから」、「今度握手会いらしてね」って、壇蜜ばりの言葉遣いで見つめられたらダメですね。
Huluでは、舞台裏やメイキングの様子が公開されており、なんと歌のコーナーは当日の8時間足らずの練習時間しかなかったようだ。ソロ・コンサートもあったのに大変だったろう。
全体的にとてもアットホームな雰囲気で、夕方のテレビ東京でやっていた公開生放送番組の気配もして、とても懐かしかった。
SKE48とコント番組をやっていたせいか、アイドルのいじり方がよくわかっている。
チーム8はいい「公式お兄ちゃん」を見つけられたかもしれない。
※
なかむらさん、コメントでのご指摘ありがとうございます。
該当部分は修正しました。
AKB48「だから君が好きなのか」に、泣いた
AKB48の8枚目のアルバム『サムネイル』TypeBを買いました。
このアルバムには発表済みのシングルに加えて、いくつかの新曲も含まれている。そのなかでも特にお気に入りなのが、このためにアルバムを買ったといっても過言ではない、「だから君が好きなのか」という曲だ。
歌唱メンバーはグループをまたいだシャッフルユニットで、 AKB48から田野優花、team8から小田えりな、SKE48から須田亜香里、NMB48から須藤凛々花、NGT48から荻野由佳が参加している。
小田えりなと荻野由佳が大好きなぼくにとっては、この曲のメンバーはまさに俺得である。
ところで、小田えりなはこれ以前にもAKB48の「また あなたのことを考えてた」という曲に参加している。こちらはコテコテのラブバラードだったので、タイトルが似ている「だから君が好きなのか」もバラード系なのかと思ったら、これが大違い。
アップテンポで爽やかなEDMだった。
正直いって、『AKB48のオールナイトニッポン』で初めて流れたのを聞いたときは、非情につかみどころのない曲だなと思った。田野優花も「歌うのが難しかった」といっていたように、Jポップでよくある、AメロBメロで溜めてサビで盛り上がるというような歌ではない。むしろ、サビの手前では間があって盛り上がりを意図的に拒否しているような気さえする。AメロからBメロまでスルスルと進み、サビの手前で一拍間があって、気づいたらサビも終わっている感じだ。
ところが、このテンポ感が歌詞のストーリーと絶妙に合っているのだ。
この歌の主人公である「僕」は「君」のことが気になっている。しかし、その理由を「僕」はわからない。どうして「君」に惹かれるのか。「僕」は「君」を「花」に例えて、「君」がどういう人間なのか、「君」のどこに惹かれるのか、心の中で思いを巡らせる。歌の早いテンポは、いわば「僕」が「君」のことを思い描く速度だ。「僕」の頭の中には「君」のことが次から次へと浮かんでくる。「君」は、辛いときも不満をいわず、飾ることなくいつも笑顔で、ありのままで――そうやって「君」のことを考えていると、まるで薫風が吹き雲の隙間から陽の光が差したように、「僕」は気づく。
君のどこに惹かれ
心が揺れるんだろう
私生活なんて
知らないのに・・・
肩肘を張らずに
空を見上げている
鳥たちが横切った時も
孤独だと感じずに
だから君が好きなのか
だから君が好きなのか
一度目の「だから君が好きなのか」は、まるで天啓だ。このとき、「僕」は「君」への想いを発見する。心のなかにあった正体不明の感情に恋という名前がついた瞬間である。そして、この発見の喜びと「君」への想いを確かめるように、そっと繰り返す。「だから君が好きなのか」と。
まさにこの歌は、人が自分の想いに気づいた瞬間という、最もきらめきに満ちた場面を切りとっている。と、同時に、前段の「君のどこに惹かれ/心が揺れるんだろう/私生活なんて/知らないのに・・・」という部分はファンとアイドルの関係そのもので、この歌を聴いた人は誰でも、自分が好きなメンバーのことを思わずにはいられない。もちろん、ぼくは荻野由佳と小田えりなのことが頭に浮かんだ。というか、この歌はふたりのために秋元康が当て書きしたんじゃないかとすら思える。「肩肘を貼らずに/空を見上げている」なんて、自然体でいつも笑顔のふたりにぴったりの言葉だ。
だからこそ、二度繰り返される「だから君が好きなのか」というフレーズを聴いて、自然と涙が出た。歌の中の「僕」と同じように、ぼくの心の中にもあった「何故?」に色と形が付き、「ああ、そうか」と納得したからだ。
だから、小田えりなや荻野由佳が好きなんだと。
やすす先生、ふたりに素敵な歌をありがとうございます!