AKB48 44thシングルに、夏歌がないのはダメだと思う
AKB48の公式チャンネルに44thシングル収録曲がアップされていたので、聴いてみました。感想とかいろいろ書きます。
44thシングル収録曲
翼はいらない
前曲の「365日の紙飛行機」で人生は紙飛行機と歌った舌の根も乾かないうちに、この曲では翼はいらないと歌う。
結局、空を飛ぶのか飛びたくないのか、どっちだ。
翼があれば嫌なことや辛いことから逃げられるけれど、地面を踏みしめて進むことが大事なんだ、というのが曲全体のメッセージ(だと思う)。
あの有名な『翼をください』(教科書にも載ってるやつです)が70年代の歌だということを考えると、秋元康って本当にいい根性してるよなぁ。
メンバーのファッションも60年代から70年代っぽく、これがいま見るとレトロテイストでとてもステキだ。サファリ・ジャケットを着たみーおんはかわいいし。山本彩は当時のファッション雑誌やポスターのモデル並みにオシャレ。
また、ブルマ姿でバレーボールをする柏木由紀のただならぬ昭和感も見どころ。
アイドル的なフレッシュさとか必然性とかは一切ない曲だけど、たまにはこういうのがあってもいいかも。年配の人への訴求力もあるだろうし、NHKの歌番組にもすんなり馴染みそうだ。逆にいえば、国民的アイドルという十字架を背負ったせいでこういう歌を歌わざるをえないところにAKBの弱点があるのだろうし、コアなアイドルオタからすればつまらなさを感じるんだろう。
とはいえ、さや姉は本当にはまり役なので、これからは歌番組でフォークソングカバーをやるのもいいんじゃないかな?
Set me free
「翼はいらない」とは打って変わって、キラキラしたメロディーとカラフルなMVに。
E-girlsとかが歌ってても違和感がない。
というか、聴いたときの第一印象はまんまE-girlsの「Dance Dance Dance」だった。
(詳しく探せばどっちの曲にも洋楽の元ネタがありそう)。
悔しいけど、いい女感勝負ではE-girlsの勝ち。ダンスのキレやゴージャスさでは勝てないですね。
AKBの側もファッションショー的な衣装を見られると思えば、ファン的には悪くない。宮脇咲良がどんどん大人っぽくなっていくのを見るのも楽しい。
とても、数年前までフグを食べて泣いていた娘とは思えないよね。
哀愁のトランぺッター
みーおん、さや姉、はるっぴの魅力全開。
男を誘惑するという内容の歌詞といい、タンゴというかフラメンコというか、メロディーもダンスも官能的で、ぐっと大人っぽい。
ただし、MVの衣装は草間彌生ばりの蓮コラな上に、地方の観光地にありがちな顔出しパネルみたいな演出によって観るとゾワゾワした不快感と不安を感じるので、くりかえし観るには抵抗がある。
恋をすると馬鹿を見る
付きあってる女の子が、別の男と歩いていた場面を見てしまった。友だちからは、あいつはやめておけといわれていたけど、信じてたのに!
という曲。
舞台は銭湯でお御輿も担ぐという意味不明なMV。
曲自体はお祭り感とかわいさがあっていいのだが、このMVの演出の意図はマジでよくわからん。歌詞の世界観は無視していいのか?
タオル一枚のれなっちという貴重なシーンが含まれているし、銭湯という設定上みんな泡を模したキャミソールを着ているので、露出度は高い。
それを狙った演出だとしたら納得。
大成功です。
考える人
MVの編集をしている風な構成が、とてもかっこいい。
オシャレ系の衣装と「Make noise」のようなカッコイイ衣装の2通りが楽しめる。
問題は歌詞だ。
基本的には、秋元康という作詞家は天才だと思ってるんだけど、たまにセンスを疑うときがある。この曲でもその怪しい部分が出ていて、Aメロから
夢を語る詩人か 地獄をのぞく者か 揺れている ぼくの役割
というカッコイイんだかダサいんだかわからない歌詞が飛びだしてくる。
サビでは
ダンテなのかロダンか
というフレーズまである始末。
おまえは野坂昭如か!
やすす、このセンスにはちょっと付いていけないよ。
夢へのルート
シングル唯一の学校設定曲。
はじめは同列だった仲間たちにいつしか差ができた。
でも夢へのルートはひとつじゃないから、焦らず自分なりにがんばればいいんだよ的な歌詞で、まさにteam8のことを歌っている。
ダンスのキレとシンクロ率がものすごい。どう考えてもパフォーマンスはteam8が1番だ。
衣装のポロシャツのデザインもかわいい。
歌詞が散文的でうまく曲とかみあってないような気がするんだけど、そこを除けば文句ないです。