家から出て握手したら負けだと思ってる

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バイトル×AKB48スペシャルライブ ぱるる選抜「光の中へ」と古澤剛「仲間だろ」

「バイトル×AKB48スペシャルライブ」をニコニコ動画で見ました。

本当は全編にわたっての感想を書こうと思ったのだけれど、タイトルのとおり、両者の印象がすさまじかったのでやめます。今回は、ぱるる選抜と吉澤剛さんについて。

ライブの前に、松井珠理奈、渡辺麻友、指原莉乃、横山由依によるニコニコ生放送ユーザー向けのやりとりがあり、いよいよ本編へ。

overtureが会場に鳴り響き、ぱるる選抜による「光の中へ」の初披露からライブが始まる。

ぼくは、この楽曲が使われたバイトルのCMを見たことがなかった。なので、今回のライブが正真正銘はじめての機会だったのだが、とてもとてもすばらしかった。

「AKBらしくない人を選ぶ」という島崎遥香の言葉どおり、バイトのふたりは全然AKBっぽくない。ひとりはシンガーソングライターのmiwaみたいな元気系で、こちらは乃木坂にいてもおかしくなさそう。しかし、もうひとりはタレントの市川紗椰みたいな小顔美人系で、どう天地がひっくりかえってもアイドルにはならないような容姿である。普段着で渋谷を歩くだけでモデルやタレントにスカウトされるだろうに、いったい、どういう理由でバイトAKBに応募したのか。謎です。

この三人が歌う「光の中へ」は、曲調といいダンスといい衣装といい、PerfumeやNegiccoを意識しているのは間違いない。キラキラしていて、非常にオシャレなサウンドだ。けれど、ぼくが真っ先に連想したのは、AKB48の「キャンディ」という曲でした。どちらも、女の子による女の子のための歌という感じだし、三人のユニット曲というところも共通している。なにより、ぱるるの姿に、2013年の真夏のドームツアーでの、松井玲奈・島崎遥香・田島芽瑠による「キャンディ」を思い出してしまった。当時のぱるるは、松井玲奈と田島芽瑠に挟まれた次女という感じだったけれど、いまでは慣れないふたりのメンバーをやさしく見守る長女といった様子だ。すっかり大人になったねと、勝手に感慨深くなる。また、バイトルのCMのぱるる選抜編が、お姉さんぱるるがメンバーのレッスンを見守るという設定なものだから、余計にグッと来た。

「光の中へ」は歌詞も特徴的だ。片思いをする奥手な女の子の心情を、かなり抽象的な言葉で綴っている。恋心を「放射熱」にたとえたり、告白することを「光の中へ」一歩踏み出すと表現したり。このような間接的な言いまわしが、ぱるるをはじめとした三人の、ちょっと不思議な、あるいはちょっと現実離れした雰囲気にぴったり。前田敦子の「君は僕だ」といい、乃木坂46西野七瀬のソロ曲「光合成希望」といい、不思議系女子をモチーフにした楽曲にハズレなし。秋元康自身の好みがモロに楽曲のクオリティに反映されている。

一方、バイトルのCMソングであるということを考慮すれば、ひきこもりニートへの応援ソングだという解釈もできるかもしれない。つまり、"家の中に引きこもってないで「君のペースでゆっくり」、「光の中へ」出てきなよ。そして、バイトルで仕事を見つけて、いっしょに働こう"的なメッセージです。外は怖くないよ、みたいな。

なんてことを思っていたら、その後、同じくバイトルのCMソングを担当する古澤剛さんが登場。古澤さんは、長渕剛とナオト・インティライミを合わせたような人物でとてつもないキャラクターだった。あらわれるなり、会場の8100人を仲間認定する。友情の押し売りである。「Dear friend」と「仲間だろ」の二曲を披露するが、どっちも似たような曲で、純度100%の男の友情を歌っている。特に「仲間だろ」は、ただひたすら"お前は仲間だ 何があっても大丈夫さ いつでも見てるぜ"というメッセージを繰り返しまくる。「光の中へ」の後に「仲間だろ」は、間にAKB48を挟んでいるとはいえ落差がすごい。サンリオピューロランドから蘇民祭くらいのギャップがあった。

それにしても、古澤剛というアーティストは肝が据わっている。いくら依頼があっても、普通はアイドルのライブに途中参加するのは嫌だろう。けれど、古澤さんは、AKB48のライブにギター一本で単身乗り込み、たった二曲で会場を自分の世界観に染めてしまった。歌は上手いし声はでかい。「仲間だろ」をAKB4のメンバーとともに熱唱した後の会場には、いやぁ、楽しいライブだったね的な、アンコールも終わってあとは帰るだけといった雰囲気すら漂っていました。あの現場にいたら、たぶん「仲間だろ!」といっしょに歌っていたと思います。普通にいい曲でした。

と、このブログも古澤さんに乗っ取られかけているので、もう一度ぱるる選抜に話を戻す。

ぼくはああいうガーリーな曲、すごく好きです。最近のAKBになかったタイプの楽曲だと思う。「眩しすぎる恋の手前で迷ってる」。いいフレーズだ。女の子目線の甘酸っぱいフレーズがいっぱいの曲を、しばらくAKBは歌っていない気がする。たぶん、「さよならクロール」が最後だろう。そういう状態にあって、ぱるる選抜の持つ雰囲気に触発されてこの曲ができたのだとしたら、企画は大成功だといえる。これを機に、大森美優や大和田奈那あたりでユニットを作って、キラキラフワフワガーリーな楽曲を制作しまくってほしい。そろそろ、歌謡曲テイストは飽きてきました。

ぱるる選抜は今回で活動休止とのこと。

ふたりとも、はじめての舞台にもかかわらず、歌もダンスもトークも上手かった。こういう娘たちがメンバーになったら、少なくとも、ルックス面での乃木坂との格差は少なくなるし、なんかおもしろそうだ。

ぜひとも正規加入してほしい。