初冠ラジオ「ぱるラジ」で語った、島崎遥香のシビアな仕事観
文化放送で放送された『ぱるラジ』を聞きました。
これは、AKB48の島崎遥香による初の冠ラジオ番組。タイトルの語感から、どうしてもTBSラジオで放送されていた『バツラジ』を連想してしまって、あんなにおもしろかった番組が終わってしまった不幸を今でも嘆いているんですが、そんなことは関係なく、『ぱるラジ』、けっこうおもしろかったです。
『リッスン?2-3』でおなじみのあのご機嫌なBGMが流れ、いつもどおり、ぱるるの戸惑ったような声が聞こえてくる。『リッスン?』もやったというのに、まだラジオに慣れていない様子で、オープニングトークはしどろもどろ。かわいい。ひょっとして、ところどころカットしてないかって気もした。
冒頭のお便り紹介では、日本のみならず韓国や中国からも番組スタートを祝うメッセージが。拙い日本語ながらも、ぱるるに喜びを伝えようという気持ちが感じられて、関係ないのにじんわり心にしみた。
その後の曲紹介では、初の冠番組にちなんで、初めて買ってもらったCDをオンエア。なんと、アンパンのOPソング。これは意外な選曲。「愛と勇気だけが友達さってわたしも思ってます」と不穏なことを言い残してコーナーへ。
最初のコーナーは「ぱるコラ」。これは、毎週ひとつのお題についてぱるるが語るというもの。記念すべき初回のテーマはラジオ。ラジオの良さについて一通り語ったあと、中学生時代に『レコメン!』を聞いていたと暴露。これは知らなかったなぁ。『レコメン!』のK太郎、ぼくも好きでした。『レコメン!』→『バツラジ』→『JUNK』が黄金ローテだった。
続いてのコーナーは、リスナーの質問にぱるるが答える「ぱるQ」のコーナー。中学生の女の子から、服を買うときのポイントやオススメの洋服屋さんについて訊ねられて、真剣に答えたり、美白の秘訣はという質問に、「子どものときに外に出なかった」という実行不可能な答えを返したりと、いかにもぱるるらしい受け答え。
極めつけが、大学生の「仕事は辛いイメージで社会人になりたくない。ぱるるはどんなモチベーションで仕事をしていますか?」という質問への答えに、「仕事は基本辛いもの。生きていくためにする。日本っていう国が回るように、生きていくためにするものなんじゃないかって勝手に思ってるんですけど」というシビアな職業観を開陳。「働いて、お金を頂いて、好きな食べ物を食べたりだとか、好きな服を着たりだとか地味なものですよ」と、モチベーションについて語り、「唯一の楽しみっていったら、明日お休みですってメールが来るのがうれしい瞬間です。そんな感じでがんばってください」と、達観した答えでコーナーを締めくくった。
たぶん、メールを送った人はもっとキラキラした答えを期待していただろうに……。
でも、この感じがぱるるなんですよね。
二曲目の曲紹介では、ハーブティーをこぼして歩けないくらいの火傷をしたさいにテレビから流れているのを聞いて元気になった、と関ジャニ∞の「前向きストリーム!」をオンエア。曲紹介のエピソードがハードすぎる。
最後のコーナーは、ぱるるを感動させるメールを送る「ぱるイイ話」。感動するどころか、のっけから本当にあった話なのか疑い、メールの文体から昔話の桃太郎を連想してしまい、笑って続きを読めない。登場人物の行動にもケチをつけたりなんだりで、結局、ぱるるは全然感動しなかった。
卒業の噂がささやかれるなか始まったものの、そんな話題は一切なし。終始困ったような、けだる気な声でしゃべっているのに、ときおりテンションが上がってはしゃいだり笑ったり、たまにハードなエピソードや哲学が披露されたりで、だからぱるるは目が離せないんだよなぁと思わせる30分だった。あと、女性からのメールが多かったのも印象的。
はたして最初にぱるるを感動させるのは誰なのか。
くれぐれも「ぱるイイ話」が企画だおれにならないことを祈る。