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家から出て握手したら負けだと思ってる

完全在宅アイドルファンによるブログです

AKB48「LOVE TRIP」が全然『時をかける少女』っぽくない

日本テレビの『The Music Day 夏のはじまり』を見ました。

といっても、さすがにオンタイムはきつかったので、録画したものを飛ばしとばしです。HKT48と浅香唯さんのコラボとか乃木坂46と欅坂46のコラボとか、いろいろあるんですが、なんといっても、注目はAKB48の「LOVE TRIP」初披露。

この曲、AKB48の選抜曲であり、かつドラマ『時をかける少女』の主題歌でもあるということで、楽しみにしていました。

『時をかける少女』といえば、ひと夏の淡い初恋を描いた作品。その主題歌ならば、当然、夏をテーマにした甘いバラードかポップなラブソングになるはずと思っていた。

ところが、実際「LOVE TRIP」を聞いてみると、思っていたものと全然違う。

ちょっと待ってくれ、これが『時をかける少女』の主題歌なのか?

本当にこれでいいのか?

どうした、秋元康。

 

 

まずはメロディー。

「LOVE TRIP LOVE LOVE TRIP」という加工された男性の声が響くイントロからして期待外れ。

これ、ぼくには桑名正博の「セクシャルバイオレット No.1」にしか思えない。21世紀のアイドルの楽曲で、20世紀のオッサンのエロい歌を連想してしまった。

あるいは、アリスの「冬の稲妻」とか「チャンピオン」のようなフォークロック。

誤解をおそれずいえば、歌謡曲みたいで古臭くてダサい。

なんでもっとキラキラしたメロディーにしなかったんだろう。たとえば、「さよならクロール」のような曲なら、初恋のうれしさとやがてくる別れを同時に表現できたはずなのに。

 

歌詞も残念だった。

ぼくらの知ってる街は

どこへ行ってしまったのだろう?

空き地も丘も消えてた

見た事ない景色が広がる

 

空き地も丘もって、おまえはドラえもんか!

 

見た事ない景色もなにも、いまどきの高校生は空き地なんて初めから知らんわ。それは秋元康が高校生のころに見ていた景色であって、AKBのメンバーは生まれたときからそんな景色を見てない。

歌詞のストーリーが、大人になった人物が古い初恋を思い出すというものになっているせいで、ワクワク感がまったくない。古臭いメロディーとノスタルジックな歌詞があいまって、オッサンの初恋話を聞いてるみたいな気分になる。

「ハロウィン・ナイト」ではその古さが良い方に機能していたけど、「LOVE TRIP」では悪い方に向かっていると思う。

サビの「I was there」もよくわからない。

なんで過去形にするんだ。wasじゃなくamにしろよ。現在形の初恋を歌うべきだろ。タイムリープっていうのは、懐かしい過去に戻るための力じゃないぞ。

過去に帰るのは昔を懐かしむためではなく、いまという時間を永遠のものにするためだ。タイムリープがあれば、幸せな時を永遠に楽しめる。でも、それではいけない。未来に進もう。今という時間は、過ぎ去っていくからこそすばらしいんだ。アニメ版の『時をかける少女』にはそういうメッセージがあったはず。

もちろん原田知世版のヒロインは、初恋の思い出に縛られたまま大人になってしまった。その意味では「LOVE TRIP」も間違っているわけではない。けれど、あの映画では最後に原田知世が劇中人物たちと「時をかける少女」を歌うことで、原田知世という女優が未来に向かって開かれていくような印象を与えてくれた。

今回のドラマ版には、そういった仕掛けはないでしょう。

なんで高度経済成長期前の古き良き日本の元風景を懐かしむような歌詞を、『時をかける少女』の主題歌としてAKB48に歌わせるのか、さっぱりわからない。

 

 そもそも、なぜ一人称が「ぼくら」なのか。

未来人である深町の視点はNEWSの「恋を知らない君へ」で歌われているのだから、AKB48はヒロインである芳山視点の歌にするべきだろう。

視点となる人物の心情がほぼない歌詞に、最後にとってつけたように「君と出会った夏の空の下」といれてラブソングを装っているけど、これじゃあ全然ダメだよ。

原田知世が歌う「時をかける少女」の「過去も未来も星座も越えるから抱きとめて」や、奥華子「ガーネット」の

あなたと過ごした日々をこの胸に焼きつけよう

思い出さなくても大丈夫なように

いつか他の誰かを好きになったとしても

あなたはずっと特別で大切で

またこの季節が廻ってく

には勝てない。

 

で、同じく『時をかける少女』の、こちらはエンディングテーマであるNEWSの「恋を知らない君へ」。こちらも番組で披露していました。

これは、すごくよかった。

「NYARO」とかいう曲はちょっとピンときませんでしたが、「恋を知らない君へ」はすごくいい歌ですね。未来人である深町の心情をベースに、初恋の胸の痛みを歌ったバラードでした。

「夏の中へつれてって」。

いいフレーズじゃないですか。

NEWSが甘いバラードを歌ったのだからこそ、AKB48はキラキラなポップソングにすべきだった。

主題歌というのがどこで流れるのかわからないけど、仮に番組冒頭の前回のあらすじ的な部分で流れるとしたら、夏のはじまりのワクワク感と恋のドキドキを歌うポップソングではじまって、夏の終わりと恋の切なさを歌うバラードで終わるというのは最高の組みあわせだと思うんだけど。

 

散々悪態をついていますが、全部聞くと印象が変わるかもしれません。

でも、いまのところ、「LOVE TRIP」は好きじゃないです。

秋元康、まさかこれを2016年のAKB48の夏歌にする気じゃないだろうな?

全然納得できないぞ。

唯一よかったのは、岡田奈々をゴールデンの時間帯に見れたことだけだ。